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社説 米大統領選 暴動あおる不正の主張 - 信濃毎日新聞

 米大統領選で、共和党の現職トランプ氏が各州の集計作業などに不正があるなどとし、各地で法廷闘争に乗り出している。

 激戦州で集計差し止めを求めるなど、法的措置を相次いで講じた。民主党の前副大統領バイデン氏が勝利を確実にした全州で不正があると主張し、提訴を拡大する意向だという。

 5日の会見で「汚いやり方だ。許されない」と正当化したが、不正を裏付ける証拠は示さない。

 民主主義の根幹である選挙制度への信頼を、政治指導者が何の根拠もなくおとしめているように見える。民主主義の大国とは思えない異様な光景だ。

 トランプ氏は投開票日に優勢だった激戦州で逆転された。コロナの感染予防策で増えた郵便投票などの開票が進んだためだ。「郵便投票はバイデン票に偏っている」と、不正を印象づけている。

 感染リスクに敏感な民主党支持層の票が多いのは当然だ。政府の無策が感染を広げ、郵便投票を増やした面もある。

 矢継ぎ早につぶやくトランプ氏の「疑惑」情報に刺激され、各地で支持者が開票所に押しかけて開票中止を求めたり、建物内に入って窓をたたいたりしている。

 反トランプ派も対抗して「全ての票を数えろ」とデモで訴え、逮捕者も出ている。分断が深まり、緊迫は高まっている。

 ネットも虚偽の投稿であふれる。米メディアによると、「トランプ氏に投じた約80枚の投票用紙」が燃やされる動画が投稿され、当局はただちに「本物ではない」と声明を出した。それでも拡散し、トランプ氏の息子が共有して120万回も再生された。

 トランプ氏は選挙前に民主党の反対を押し切り、欠員が出た連邦最高裁の判事に保守派を後任指名した。選挙に絡む司法判断で有利に働くとの思惑がのぞく。

 最高裁といえども合法的な開票作業をやめさせる特権はない。判断を要する場面は限られる。どこまで有効か、疑問符も付く。

 共和党が主導する州で選挙人を決めさせず、下院の投票に持ち込む戦略もあり得る。下院が大統領を決した例は約200年前にまでさかのぼる。

 一部の提訴は却下されたが、敗北を絶対に認めず、どんな手段も用いるつもりか。

 選挙自体を無に帰し、有権者の投票をないがしろにするような行為は、米国の社会基盤そのものを危うくする。そんな「場外乱闘」の長期化が気掛かりだ。

(11月7日)

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