「ウルトラマン」シリーズで知られる円谷プロが、世界中のファンに向けて送る祭典「TSUBURAYA CONVENTION2019」が開催となりました。2019年12月14日(土)から15日(日)にかけて、2日間にわたり東京ドームシティを舞台として開催される本イベント。この記事では、多数の新情報が発表された「TSUBURAYA CONVENTION2019」オープニングセレモニーの模様をお届けします!
セレモニーがスタートすると、これまでに円谷プロが手がけてきた数多の映像作品からダイジェスト的にシーンが挿入された映像が上映。その後はウルトラ6兄弟が登場し、大きな拍手に包まれながら円谷プロ代表取締役会長兼CEO・塚越隆行さんが登壇しました。塚越さんは円谷プロに入社する際、友人から渡されたというヒッポリト星人のソフビ人形を持参し、円谷怪獣が大好きだというその友人から「僕みたいなファンを大事にしてくれよな」とエールを贈られたエピソードを紹介しました。
まず最初の発表は、「東京コミコン2019」会場にて発表されたMARVELとの協力プロジェクトについて。スクリーンにはMARVEL編集長・C.B.セブルスキーさんからのビデオメッセージが投影され、セブルスキーさん自身がウルトラマンと初めて出会った子どもの頃の思い出を語る場面もありました。本作は、初期ウルトラマンのリブート作品となる予定とのことです。
最初の発表後は、『ウルトラマンガイア』でジョジー・リーランド隊員役を演じたマリア・テレサ・ガウさんが司会進行役として登壇。マリアさんの手引で、続いての発表であるアニメ『ULTRAMAN』へと進みます。
Netflix独占配信作品であった『ULTRAMAN』の地上波放送が決定したと発表された後は、本作で監督を務めた神山健治さん・荒牧伸志さん両名が登壇。その後はコミックス原作者である清水栄一さん・下口智裕さんからのビデオメッセージも上映され、それぞれに喜びを語りました。
その後は、制作が決定しているシーズン2が話題に。「脚本に着手しているところで、どんどんと登場する新しいキャラをどのような形で見せるかを考えている」と神山監督。原作者のおふたりとは何度も打ち合わせを重ねており、シーズン1でも見られたアニメオリジナルの要素を用意しているとのことです。
ここで、ゲストとしてULTRAMANスーツと、初公開となるSEVEN SUITが登場。新たに製作されたSEVEN SUITを間近で見た荒巻監督は「変な言い方ですけど、CGよりもカッコいい」と興奮気味。対する神山監督は「質量がすごいですね」と実在するスーツならではの迫力について触れました。
続いての発表は『SSSS.GRIDMAN』。本編のダイジェスト映像が上映された後、1枚の新規ビジュアルが公開されました。新作アニメ『SSSS.DYNAZENON』制作決定と発表されると、客席からは「おおーっ!」と歓声があがる場面も。会場のテンションが盛り上がったところで、『SSSS.GRIDMAN』監督であり、新作でも監督を務める雨宮哲さんが登壇しました。
雨宮さんは新作について「今まで『グリッドマン』を楽しんでくれた人も、これからの人も楽しめるものを作っています」と笑顔。公開されたティザービジュアルについては「『電光超人グリッドマン』を知ってる人にとっては、見覚えがありながらも少し違うかも?と感じるビジュアルだと思います。今はまだ言えないことが多いですが、お楽しみに」とコメント。「『グリッドマン』への入り口がひとつでも増えれば、という思いでアニメを作っています。『SSSS.GRIDMAN』のスタッフを集めながら、新たなメンバーも加わっている。お待ちいただければ、最高のものをお届けします」と力強い挨拶で締めました。
続いては、円谷怪獣たちが織りなす世界を体験できる『かいじゅうのすみか VRアドベンチャー』についての紹介。お台場のダイバーシティ東京にあるMRシアター・ティフォニウムにて2020年3月スタート予定の本作は、円谷プロ、TBS、そしてティフォニウムを運営するティフォンの3社からなる共同プロジェクト。ティフォンCEOの深澤研さん、TBSプロデューサーの吉村圭悟さんが登壇し、本作の概要を語りました。深澤さんからは「怪獣たちの住む楽園のような場所をVRを通じて体験できる」ことがアピールされ、一方の吉村さんからは「非常に有名な円谷怪獣が12体登場する」ことがアナウンス。また、深澤さんは2020年春にアメリカのロサンゼルスにもティフォニウムをオープン予定で、国内に留まらず海外でも展開していきたいと意欲を見せました。
続いての発表は、円谷プロと東映アニメーションによるアニメ作品『怪獣デコード』。PVが上映された後に東映アニメーションのプロデューサー・野口光一さんと円谷プロの隠田雅浩さんが登壇し、本作を手がけることになった経緯を主軸にトークを展開しました。これまで『楽園追放』や『正解するカド』などの作品を世に送り出してきた野口さんが「東映と円谷ってなかなか組めないんですよ。(本作の話がまとまるまで)4、5年くらい?」と話すと、客席からは笑い声が。先日公開されていたティザービジュアルの繭から出てきたと思われる少女のビジュアルも発表となりました。
最後の発表となるのは、庵野秀明さんと樋口真嗣さんが『シン・ゴジラ』以来再びタッグを組むことで話題の『シン・ウルトラマン』。樋口監督と、本作で主役を務める斎藤工さんが登場し、大きな拍手で迎えられました。
「物心ついてから、再放送されていた『ウルトラマン』を浴びるように毎日見ていた」と語る樋口監督は、小学校にあがるタイミングで厳しい親御さんに怪獣のフィギュアをすべて捨てられてしまったと悲しい過去を披露。「ここにいる大きなお友だちは経験があると思うんですけど、その出来事で心に空いてしまった穴を今埋めています」とコメントして笑いを誘いました。
フィギュアが話題になると、そういった玩具の類をまったく持たないように教育されてきたという斎藤さんは「実は、僕の父は映像業界の人間でして。バイトとして円谷プロで働いてたことがあるんです。『ウルトラマンタロウ』の爆発とかを担当していました」と驚きのエピソードを披露。その関係で、ウルトラマンのような特撮作品の人形だけは家に置かれていたことを明かしました。「まさか、ウルトラマンに変身するとは思っていませんでした。“壁ドン”とかをやってきた人生だったので……」と自身の経歴とはかけ離れた役柄であることに触れつつ、「物語の内容はまだ言えませんが、「だから僕なのか」と思えるような不思議な体験をしました」とコメントし、撮影に手応えを感じている様子をのぞかせました。
制作・撮影が始まっていることについてコメントを求められると、「うーん」と唸る樋口監督。「どこまで言って良いのか……」と困惑した表情で言葉を絞り出すと、「我々は圧をかけられているんですよ(笑)」と斎藤さんがフォローに入り、固く口止めされている立場であることを説明しました。それを受けた樋口監督は「ウルトラマンとの関わりはそれぞれですが、世代を超えて結束した良いチーム。撮影が終わって欲しくないですね」と良好な現場の雰囲気を語りました。
ここからは、斎藤さんと共演する長澤まさみさん・西島秀俊さんからのビデオメッセージを上映。長澤さんは「10年以上前に樋口監督とお仕事をしたことがあり、安心感がありました」とオファーがあった時の心境を振り返りました。一方、ふたつ返事でオファーを受けたという西島さんは、『シン・ウルトラマン』の撮影に用いられている最新のスタイルについて言及。「最先端の撮り方で、まだ進化する可能性がある。(撮影が)面白くてしょうがないですね。ここには未来がある」と、未知の映像体験を予感させる現場の裏側についてコメントしました。
さらに、ここで斎藤さんが変身することになる、『シン・ウルトラマン』におけるウルトラマンのデザインを初公開。感嘆の声が漏れ、息を呑む雰囲気がただようなか1枚のビジュアルが公開されました。
その姿を目にした斎藤さんは「足が長い。でも美しさがありますよね。ずっと見ていられる。生命体としての自然さを感じます」と率直な胸の内を吐露。さらにステージにはベールのかけられた台が運び込まれ、樋口監督と斎藤さんがアンベールを行いました。公開されたのは、2体のウルトラマンフィギュア。現場では雛形と呼ばれており、樋口監督は「このモデルを元にして色々と作っていきます」と説明しました。
樋口監督は続けて「庵野は自分で(ウルトラマンに)なっちゃうくらい好きなので、庵野の理想のウルトラマンをここに集約しました」と、庵野さんが学生時代に自主制作した短編映画の存在に触れつつ補足。そして、そんな庵野さんから『シン・ウルトラマン』のデザインに込めた想いがつづられたメッセージが公開されました。
庵野さんのメッセージにも登場した、ウルトラマンのデザインを手がけた成田亨さんのご子息・俳優の成田浬さんからもメッセージが届けられていました。斎藤さんはそのメッセージ中に登場した「令和の子どもたち」というワードを引き合いに出し、本作について「子どもたちはもちろん、令和の大人たちにとっても必要な作品が生まれようとしています。ぜひ皆さん、楽しみにしていてください」とコメントし、セレモニーの幕を引きました。
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2019-12-14 08:50:08Z
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