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伊藤沙莉『タイトル、拒絶』役を誰にも渡したくなかったワケ - シネマトゥデイ

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映画『タイトル、拒絶』は新宿シネマカリテほか全国順次公開中
映画『タイトル、拒絶』は新宿シネマカリテほか全国順次公開中 - (C) DirectorsBox

 どの作品でも光る存在感を発揮し、引っ張りだこの女優・伊藤沙莉。公開中の主演映画『タイトル、拒絶』では、「誰にも渡したくなかった」と意気込む役に挑んでいる。

伊藤沙莉が魅せる!『タイトル、拒絶』【写真11枚】

 『タイトル、拒絶』は、それぞれに事情を抱えながらも、力強く生きようとするデリヘルの女性たちの姿を描いたヒューマンドラマ。伊藤は、体験入店に来たもののいざという時に怖気づいてホテルから逃げ出し、その後は店のスタッフとしてデリヘル嬢たちの世話係になった主人公・カノウを演じている。

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 カノウは予告編の「私の人生なんて、クソみたいなもんだと思うんですよね」「不特定多数のベーシックスタイル」というセリフからもわかるように、現状の自分や人生に不満を抱え、打破しようとするキャラクター。コンプレックスを原動力に前進するカノウに対して伊藤は丁寧にアプローチし、ときに激しく感情を吐き出しながら、命を吹き込んでいる。

 この役を「誰にも渡したくなかった」と意欲的に臨んだ伊藤。理由は「冒頭にある独白シーンのセリフを言いたかったから」。核心をつくようなセリフが連続する冒頭は、カノウがカメラ目線で独白するシーンで、クランクイン後、一番初めに撮影された場面。「ワタシの人生に、タイトルなんて必要なんでしょうか?」と問い掛ける本作に思いを巡らす肝となるシーンで、カノウが抱える気持ちにハッとさせられるような印象深いシークエンスとなっている。

 伊藤は今年だけでも『タイトル、拒絶』のほか、『劇場』『ステップ』『蒲田前奏曲』『とんかつDJアゲ太郎』『十二単衣を着た悪魔』『ホテルローヤル』、声優を務めた『小さなバイキング ビッケ』『映画 えんとつ町のプペル』と9本の映画に出演。彼女の活躍ぶりは、テレビドラマなども含めて「演技力が抜群」「シリアスもコメディーもこなせる」「実力のある本物の女優」と観客や視聴者からも大好評を得ている。

 新進気鋭の山田佳奈監督が、2013年に自ら手掛けた同名舞台を映画化し、長編デビューを果たした本作。伊藤は昨年の第32回東京国際映画祭で、宝石の原石(ジェムストーン)のような輝きを放つ若手俳優に贈られる「東京ジェムストーン賞」を見事に受賞している。(編集部・小松芙未)

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