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「こんな本が欲しかった!!」ハリウッド現役脚本家が書いた理論書を創作クラスタが絶賛する理由――ロングセラーの1冊『物語の法則』 - カドブン

2013年9月に刊行された本ながら、絶賛を浴び今も売れ続ける1冊の本があります。『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』はその書名の通り、ハリウッド映画の脚本を手掛ける現役のヒット・クリエイターらが書いた物語の作り方を解説した本です。著者は2名。クリストファー・ボグラーはディズニー映画「美女と野獣」「ライオン・キング」のほか、ヴェネツィア映画祭金獅子賞に輝いた「レスラー」などのストーリー開発に携わりました。もう1人のデイビッド・マッケナは1万作以上の脚本分析をおこなった研究者であり、コロンビア大学やニューヨーク大学の映画コースで教壇に立つ、正真正銘のプロです。



本書では、神話学者として名高いジョーゼフ・キャンベル(1904~1987)の12のステージにわたる「英雄の旅路(ヒーローズ・ジャーニー)」理論(欧米では、物語創作者が学ぶべき必須の理論とされ、『スター・ウォーズ』を始めとする多くの物語がこの理論を踏まえています!)を、創作に誰でもかんたんに応用できる物語構造として提示します。また、このキャンベルやスイスの心理学者カール・ユングの研究を基礎に、キャラクター制作の理論化もおこなわれています。本書サブタイトルの「強い物語とキャラを作れる」が一介のクリエイターが自分の経験談でまとめたものでなく、専門的な研究・理論に基づいていることがおわかりいただけると思います。少し長くなりますが、本書の目次をすべて公開しましょう。

はじめに/ツールキットストーリー部門での日々/あいつら何者だ?
①テーマを持つ
②“求めるもの”リスト
③重要な取引は何か?
④観客との契約
⑤両極の対立 
不可欠なツール/『パルプ・フィクション』――二人のキャラクター、二つの極/『マディソン郡の橋』――ひとりのキャラクター、二つの極
⑥すべては“覚書,メモ”から始まった――『千の顔をもつ英雄』実践ガイド
ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』実践ガイド/はじめに/〈英雄の旅路=ヒーローズ・ジャーニー〉の概略/〈ヒーローズ・ジャーニー〉のステージ
⑦英雄の内面的な旅路 
プロット主導か、キャラクター主導か?
⑧相互アクション 
すべてはゲームである
⑨キャラクターの機能――〈原型=アーキタイプ〉とそれ以外の類型
〈原型,アーキタイプ〉/プロップのキャラクター
⑩キャラクターの代数方程式(及び不自然な仕事について)
1、求めるもの/2、動き/3、障害/4、選択/方程式と不自然な仕事
⑪キャラクターとテオプラストス
そもそもテオプラストスとは何者か?/『キャラクターたち』の計画/テオプラストスのキャラクター類型/『キャラクターたち』の活用法/考えられるキャラクターのメニュー/混合と組み合わせ/二つならよし、三つならなおよし/もっと多ければもっとおもしろい/自分のリストを作ってみよう/キャラクター素描,そびょうにトライしてみよう/さらに進んだ実験/脇役/『キャラクターたち』の肯定的な修正/ちょっと待った――これはステレオタイプとは違うのか?/シネコンで起った奇妙な出来事/奇跡的発見/ローマ人によるリメイク
⑫シノプシスとログ・ライン
⑬ウラジーミル・プロップのおとぎ話アプローチ
  プロップの“機能”/プロップの“機能”、及び〈ヒーローズ・ジャーニー〉のステージとの比較/結論
⑭プロップのキャラクター
⑮環境的事実――概論
  環境的事実/発見したこと/双方向の働き/新たな視点/次の挑戦者へ
⑯環境的事実(1)――日付
⑰環境的事実(2)――場所
⑱環境的事実(3)――社会的環境
  社会集団をひとつにまとめているものは何か?/それとなく示される社会的手がかり
  事例
⑲環境的事実(4)――宗教的環境
⑳環境的事実(5)――政治的環境
㉑環境的事実(6)――経済的環境
  安易な解答に頼ってはならない/金に従え/別の道はつねにある/ほかの通貨形式
㉒環境的事実――結論
  陸にあがった魚/旅路の円弧/核心に近づくための推理/ターニングポイントはどこか?
㉓ボードビルから学んだこと
  支配人の役割/ショー・マスト・ゴー・オン/コントラストの原理/ディズニーとコントラスト/目玉商品の配置/プログラムの肉づけ/実践に移す
㉔ショーマンシップ
  A・R・K・O・F・Fの方程式/売りたいのはベーコンじゃない
㉕プロの映画脚本家になりたい人のための五か年計画
㉖映画会社は脚本に何を求めているか
  キャラクター/構造/会話/コンセプト/予算/基本ライン
㉗ではさらば――私の捨て台詞
解説 大塚英志

著者のマッケナは演出家として100以上の舞台を上演(その大半は共同で脚本を執筆)、物語を創作するという点では映画に限った話ではありません。この点が今、小説を書こうとしている人たちに強く支持される理由です。ボグラーは「はじめに」で、その一般性をこう説明します。

ボードビル(寄席演芸)や芝居から得た遺産、ハリウッドに伝わる伝統的な知恵、ウォルト・ディズニーのノウハウ、心理学の言語、それに音楽やダンス、絵画、東洋武術、建築、郡司などから借用した原理の助けも借りる。(略)本書では、私たちが良質な物語を創作するために、不可欠な原理や技術だと考えているものを提供していくつもりだ。

ウラジーミル・プロップによる民話構造の分析も採り入れた12ステージによる物語構造モデルと強いキャラクターをつくる8つの原型は本書で初めて発表されたものです。また、このツールで作られたストーリーとキャラクターを分析する方法さえも「6つの環境的事実」として解説するのです。共著者のマッケナが「絶対に書きたくなかった」とまで語る(本書冒頭で実際にそう書いている)本書が、創作クラスタの方々の参考にならないはずがありません。そして、実は今もハリウッドで働く一流の脚本家たちが同じ思いを抱いているのです。彼らが本書に寄せた推薦コメントを見たら、あなたも本書を読んで、そして実際に物語を作ってみたくなるはずです。そしてもちろん、あなたが単なる映画や小説の鑑賞者であったとしても得るところが多いでしょう。あなたがワクワクしたり、感動したりしたエンターテインメントが、どんな仕掛けや構造でもって、そうした感情をあなたに呼び起こしたのかが、あなたにも分析できるようになるからです。そして同時に、あなたは、より深くそれらの魅力を味わえるようになるのです。

「台本のページ上で見ただけではわからないものだが、ストーリーの構造は、その九割までが映画脚本執筆時の駆け引きによって生まれる。優れた映画は優れた構造を持っている――それがすべてだ。ミスター・マッケナほどそのことをよく知り、手際よく伝えている人物はいないだろう。私が現在も現役の脚本家を続けられている大きな要因のひとつは、彼の洞察力にほかならない」

――マーク・ファーガス
(アカデミー賞ノミネート作品『トゥモロー・ワールド』『アイアンマン』の共同脚本家)

「たったいま『物語の法則』を読み終わったばかりだが(だからこの宣伝文を書いているんだが)、早くもこの本にはだいぶ助けられた。ちょうどリライトの手法が欲しかったんだが、この本はその突破口を見つける手助けになったんだ。こいつは社交辞令じゃないぜ」

――スコット・シルヴァー
(『8マイル』の脚本家、『ザ・ファイター』でアカデミー脚本賞ノミネート)

「誤解を恐れずに言うと、こんな本が出るなんておかしいんだよ。なぜかって? 映画会社のストーリー開発部がこんな良質な小論を外部に出すはずがないからだ。本書はそのぐらい、ストーリー、テーマ、キャラクターについてのすばらしいガイドブックであり、すべてのライターやストーリー開発担当者たちが、机に一冊置いておくべきものだ」

――チャド・ガービッチ
(ライター、テレビ番組プロデューサー[『ワイプアウト(Wipeout)』『リアリティ・ビンジ(Reality Binge)』『スピーダーズ(Speeders)』『フーディ・コール(Foody Call)』]。『スモール・スクリーン、ビッグ・ピクチャー――ライターのためのTVビジネスガイド(Small Screen, Big Picture : A Writer's Guide to the TV Business)』の著者)

「デイビッド・マッケナは、映画、芝居、小説などの博学な知識とともに現実世界の事例を提供し、映画の脚本執筆というあいまいで困難な作業をライターがやりぬくための導き手となってくれる。マッケナは、陽気で、洞察力があり、すばらしい脚本を書きたいという不可能にも見えるミッションを、可能に見せてくれる(私たちには、それを望む勇気があるだろうか?)」

――スーザン・ダンズビー
(エミー賞受賞テレビドラマの脚本家、『あなたはこの仕事をどうやってつかんだのか?(How Did You Get That Job?)』の著者)

「『物語の法則』は、映画のストーリーを通じた人生共有の技巧を、深いところまで人間的に追求した著作といえる。本書は深淵で示唆に満ちたロードマップだ。とはいえ、メッセージを読者に伝えるためのユーモアや、情や創造力にあふれた本ともなっている。すべての映画脚本家が読むべきすばらしい著作である」

――ペン・デンシャム
(ハリウッドのプロデューサー、脚本家、監督。映画『ロビン・フッド』『モル・フランダース』の製作、テレビシリーズ『アウター・リミッツ』『トワイライト・ゾーン』のリメイク版の製作等)

『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』著者プロフィール

【クリストファー・ボグラー】
映画「スター・ウォーズ」「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」や小説『ドラゴンランス』などに幅広く深い影響を与えたことで有名なジョーゼフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニー理論。それにプロップのおとぎ話理論等をミックスさせて独自に発展させた手法を映画に適用し、ハリウッドでストーリー開発の第一人者として注目されるストーリー開発コンサルタントがクリストファー・ボグラーである。ストーリー開発に携わった映画は、ディズニーの「美女と野獣」「ライオン・キング」の他、「ベオウルフ」「スパイダーウィックの謎」「アイ・アム・レジェンド」「ハンコック」「紀元前1万年」「いとしい人」「レスラー」など多数。

【デイビッド・マッケナ】
1万作以上の脚本のストーリー分析をおこない、個人クライアントのほか、フォーカス・フィーチャーズ、HBO、20世紀フォックスなども顧客に持つ。演出家としても100以上の舞台を上演し、大半の脚本の共同執筆もおこなっている。ここ20年は、コロンビア大学、バーナード・カレッジ、ニューヨーク大学などの映画コースの教壇に立っている。

▼『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/311808400000/


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September 05, 2020 at 10:34AM
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