トラボルタが、ちょっと見覚えのないような顔を見せる。演じるのは、ハリウッドの人気スター…ではなく、そのストーカーだ。映画オタクである主人公は、熱愛する人気俳優から冷たくあしらわれたことで、その豪邸を突き止めてストーカー行為に及んでいく…。
一般的にストーカーを扱った映画は、ストーカー側から描かれると狂気のドラマに、被害者目線の場合にはホラーやスリラーになる。ところが本作は、常にストーカーであるトラボルタの視点で物語が進むにもかかわらず、彼からは狂気が立ち昇ってこない。彼はちょっと頭が鈍いせいで非常識な行動も取るが、異常なわけではない。オタクだけれどもこういうマニアはどこにでもいて説得力はちゃんとあるから、見ていてイライラしこそすれ怖くはない。にもかかわらず、演出の端々からジャンル映画の気配が漂ってくるのだ。
本作の斬新さ、ユニークさは、まさにそこにある。ただし、どうせなら、もっとホラー映画感を前面に押し出してもよかったのでは? そうすれば、シリアルキラーの視点で描かれるホラー映画ではないけれど、全く新しいストーカー映画のジャンルを生み出せていたかもしれない。ちなみにトラボルタは、この作品と『ワイルド・レース』でラジー賞(ゴールデンラズベリー賞)の主演男優賞を受賞した。それだけでも、観たくならない? ★★★☆☆(外山真也)
監督:フレッド・ダースト
出演:ジョン・トラボルタ、デヴォン・サワ、アナ・ゴーリャ
9月4日(金)から全国公開
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September 01, 2020 at 05:08AM
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『ファナティック ハリウッドの狂愛者』トラボルタがストーカーに:山陽新聞デジタル|さんデジ - 山陽新聞
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