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ハリウッドザコシショウ、「誇張ものまね」の制作プロセスを語る - マイナビニュース

ハリウッドザコシショウ、「誇張ものまね」の制作プロセスを語る

お笑い芸人のハリウッドザコシショウが、2020年6月24日にDVD『ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3』をリリースした。

この映像作品は1月23日、東京・新宿シアターモリエールにて開催された単独ライブ「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ」を収録したもの。このライブは、これまでも定期的に開催されており、過去の100連発ライブの様子もDVDとしてSEASON1、2が発売される恒例のイベントとなっている。ハリウッドザコシショウと言えば、誇張ものまねや、わめきなど他の芸人のスタイルと比較してかなり独特なものである。自身のYouTubeチャンネルでも毎日動画をアップして、日々笑いのネタに尽きない。そんな彼の芸人としてやりたいネタと美学を突き詰めたものが、本編と本編以上のボリューム以上に詰められた特典映像に込められた作品。それが遂にリリースされたのだ。

今回はそんなハリウッドザコシショウへとZoomでのインタビューを敢行。彼の近況から、ものまねに懸ける想いやネタの作り方まで余すことなく語ってもらった内容になった。

ー未だに新型コロナウイルスが猛威を奮っております。自粛期間中には、ミュージシャンや芸人さんもオンライン配信や発信を精力的にやられている方も多いですが、ザコシさんは元々YouTubeで毎日配信されていました。この自粛期間でTVや舞台の仕事は減ったのかもしれないですけど、ザコシさんにとってこの自粛期間で何か変化はありましたか?

ハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ):芸人は皆こぞってYouTubeでチャンネル始めたり、新しいこと始めたとか聞くんですけど、僕は普段からやってるからあんまり変わらない生活をしてますね。ライブが軒並み中止になっているので、ライブしたいなっていう気持ちはすごいあります。配信ライブといっても、お客さんと向き合っての生のリアクションが無いし、それを浴びていないと、自粛が明けても何が面白くてつまんないか分からないっていうのがちょっと怖いですけどね。芸人って、人前に出てこれは面白いとかつまんないって判断しながらやっていくので。それがないと、感覚が馬鹿になっていっちゃう感じがしますね。

ー芸人を鍛える上で、舞台上でお客さんの反応を見る体験は大事なことなんですね。

ザコシ:そうですね。売れてもその体験を無くす事はあまりしたくないし、第一線でいれる秘訣ってそこだと思うんですよ。タレントになっちゃうのか、芸人のままでずっとアンテナを張っていくのでは全然違うので。タレントだと、お客さんを笑わせるっていう力は鈍っちゃうかなって思うんです。どっちかと言えば、生の反応がある方がやりやすいですよ。ネットでもよくエゴサーチをするんですけど、そこでもよく分かんないけど面白いんだよねって言ってくれる人もいますからね。

ーエゴサーチをすると自分の芸の参考になる事もあるけど、今問題になっている誹謗中傷とかもあると思うんです。そこはうまく距離とっているんですか?

ザコシ:誹謗中傷も見るけど、僕は全然そういうの気にならないんです。めちゃくちゃ言われても全然平気だけど、どう思われてるかっていうのは知りたくて。悪口でも良いことでも、いっぱい出てくるって事はそれだけ関心があるって事ですよね。面白くないとか悪口言われても、そりゃそうだって納得がいくから反論しない。悪口も一つの人気だと思うんですよ。そのぐらいその人の心に響いたってことですから。僕は芸風がヒールだから、そういう事やんないと気持ち悪いんですよ。ザコシが何かしこまってんだみたいなこと言われるのが一番気持ち悪くて。逆に、いくらやっても何も波風が立たなくなった時がもう終わり、世代交代だなって感じがしますね。

ー今回映像作品でリリースされる『ものまね100連発Season3』もそうでしょうけど、やはりただ100個ネタをやるんじゃなくて、現場でお客さんとネタで対話して反応を見ながらやろうっていうスタンスなんでしょうか?

ザコシ:それはそうですね。毎年やってた単独ライブのネタは、ものまね30連発なんですけど、もっと過酷な100連発だと一発収録ライブですし、ウケるスベるってすごく大事になってくるんですよ。普通の芸人が映像作品の収録ライブをやるんだったら、昼公演と夜公演があって。それぞれからウケたところを摘んでいくのがセオリーなんです。でも僕の場合は、昼に特典映像の企画を撮って、夜に収録ライブをするので失敗は許されない。お客さんのつかみがない一発撮りを収録されるのも辛いし、反応は大事にしてますね。スベりそうになってもしつこく何回もやって空気を温めたり、上手いバランスを舵とっていくのはライブならではです。

ーものまねってデフォルメして面白く伝えたり、リアルに似せていくとかやり方があると思うんです。ザコシさんはどうやってものまねネタを考えていかれるんですか?

ザコシ:僕はものまねの中にコントの概念もあるんですよ。昔のコンビ「ジーメンス」でコントをやった時に、そこではウケなかったけど、この下りは面白かったなって思うものを今持ってきて笑えるってやつも結構ありますし。ものまねっていうジャンルだけど、その中でショートコント的なものもあるし、ちゃんと似せていくものもあるし、誇張ものまねもある。色々なパターンがないとすぐ飽きるんですよ。DJじゃないけど、ここでこのネタやったら盛り上がるんだろうなって考えるのも楽しいですよ。

ー100本のネタのセットリストを考えるときも、ちゃんと流れを決めて何度も検討されてるんですね。

ザコシ:基本的には、100本の中で前半・中盤・後半があるんです。実は100個を1年に1回出すとかじゃなくて、100個溜まった時点でこのDVDを出すんですよ。1年に2種類単独ライブやって、1日目と2日目で違うネタをやるんですよ。ものまねで1日目は大体30発、2日目で30発やるから大体1年で60個のネタが生まれるんですよ。じゃあ60発全部使えるかって言われたらそうじゃない。大体30~40個くらい使えるやつがあって。それを2年やったら60〜80個使えるネタがある訳ですよね。残りの20〜40個は、前のものまね100連発Season1、Season2で外れたネタを練り直してチョイスして足していくんです。なので、前半は1年目の単独ライブ、中盤は2年目の単独ライブ、後半で練り直したネタをメインに入れる感じですね。ブレイクポイントとか入れたりもするし。100発の中で考えるといい感じで終われる流れを頭の中で考えて。よくウケるメインディッシュなネタを前半に出しておいて、珍味みたいなネタを後に出すとそんなにウケなくもないんですよね。知らない情報とか喋り方によってノリで笑ってしまったりもするし。

ーそういうプロデューサー的な客観的視点も持つことが大事だと思うのですが、ネタ見せなどもしていらっしゃるんですか?

ザコシ:僕は趣味が合う作家があまりいなくて、ネタをよく一緒に考えてくれる後輩に見せてますね。お小遣い払って見てもらったり、単独ライブの作家みたいなことやってよってお願いすることもありますね。作家さんって芸人の立場になったことがない人が多いから、ネタの真髄に触れる手前で終わっちゃうんですよね。同じ芸人の方がこっちのやりたいことが、すぐ分かるから早く進むんですよ。

ーモノマネのネタ見せって具体的にどんなアドバイスになるんでしょう?

ザコシ:うーん、例えば表現方法はこういう方がいいんじゃないとか。もうちょっとプラスして三段階のオチにしたらとかフリをつけようとかですね。もしくは設定をくれる時もありますし。後輩が見たTVでこういう人がいたんで、こう誇張したらとか提案してくれる人もいるし。ありがたいっすね。自分1人で考えてると凝り固まっちゃうんですよね、なので他の人から見てもらう方が発見が多いんですよね。やっぱり、客観的視点はあった方がいいと思いますよ。ネタだけじゃなくて自分のYouTubeの企画とか考えてるし、客観視できないと笑わせ方も分かんないんですよ。全体の中の立ち位置と、こういう発言をした方がいいっていうのは、大体でいいから分かってることが大事で。自分で分かんないことを言っても響かないし。

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ーザコシさんのそういうお笑い哲学って、先日終了した生配信ライブ「キチ4」のずん飯尾さん、野性爆弾のくっきーさん、レイザーラモンRGさんらの芸人仲間にも通じるものなんですか?

ザコシ:そうじゃないですかね。くっきーなんかめちゃ分かってますからね。皆分かってるし同じ意見だと思いますよ。売れてる人はそこらへんが分かってないと売れないかもしれないですね、天然キャラの人とかは別ですけど、自分の芸風が好きでやってる人は分かってやってますよ。自分の芸風に嘘ついてない人って、なんとなくお笑いが分かってるから。そういう人はツッコミもボケもできる人が多いんですよ。皆も伊達に10年20年やってないですよね。芸歴10年未満の人が、彼らみたいな芸風やっても、なんとなくいじられた時の立ち回りとかも分かんないですよね。ネタはできても、いじられた時のリアクションとかトークの立ち回りとかはなかなか難しいから。

ー逆にザコシさんが他の人のネタの相談に乗ったりすることもあるんですか?

ザコシ:ありますよ。よく言うのが、コンビの中で私生活とネタのボケ・ツッコミが真逆のコンビがいたんですよ、私生活でボケをやってるのに、ネタではツッコミやってるとか見ていてなんか違和感があって。バイきんぐも前はそうだったんですよね。僕が言ったから変えた訳じゃないと思いますけど、前はネタでは小峠がボケをやってたけど、普段は西村が変なこと言って、小峠がツッコミしてて。だからネタでも小峠がツッコミやればって言ったりしましたね。

ーDVDの特典映像に収録されてる、西村さんとの「喚き-1グランプリ」も見ていて仲良しな感じが伝わってきますね。特典映像はそういう気心の知れた仲間とワイワイやって、本編より収録時間が長いくらいですよね。

ザコシ:昔から自分の冠番組が欲しいっていう野望があって。昔はネタもやりつつ、Amebaブログで5分くらいの動画も毎日公開してて。それで続けていくうちにYouTubeに移行して、もっと動画編集した方が面白いなって気づいてクオリティを上げて。そうやってやれることが増えてきてた時に『ものまね100連発Season1』のDVD特典映像を少しやったんですけど、そこでYouTubeでやってる企画を特典映像として撮ってもらえますか? って訊いたら喜んで撮ってくれて。制作チームでやっていただけると、豪華な作りだからこんなアングルでも撮れるんだってことにも気付けるしクオリティも高いからすげえよかったですよ。ディレクターさんも僕の作ってる面白いことを理解してくれているから、100%満足できるものが作れる。こうやって番組制作みたいなことをしていくのは楽しいし、勉強になるなってことで本腰が入って。それでSeason2から本格的に特典映像を入れ始めましたね。今回のSeason3だと、やりたいことがどんどん増えちゃったんですよね。9個くらいできちゃって、ディレクターさんも協力してくれて撮ったんですけど、編集してみたらすげえしんどかったらしくて、1ヶ月半くらい丸々編集してもらってましたね(笑)。

ー普段YouTubeで見てるザコシさんのDIYなコンテンツも好きですけど、カメラワークとか編集も加えられていると、それはそれで豪華だし面白さも上がるなと思いました。ファンとしては配信サイトとかでのザコシさんの看板番組も見てみたいです。

ザコシ:そうですね、あれは地上波出してもおかしく内容なんですよ。DVDの特典映像ってガチャついてる雑なやつが多いんですけど、それとは全然違う。あの9本の特典映像で1つの作品として出してもいい内容だし、あそこから3,4つ選んでオープニングとエンディングつけたらもう番組になるレベルなので。あれを誰か地方局の番組プロデューサーが観て面白がってくれれば、僕らも是非動きますんで(笑)。

ー客を入れてのライブはまだ難しい日々が続きますが、ザコシさんはずっとYouTubeで動画配信をやられているので、改めてオンラインでやってもそんなに変わらないかもしれないですね。やはり元々YouTubeなどプラットフォームでやっていた人は、この時期とても強いと思います。

ザコシ:でも僕のYouTubeチャンネルなんて練習場っていう類に等しいですからね。通過点というか、思いついたものを一番最初に出すとこがYouTubeなんでね。まだ固まってないけどトークベースでどういう感じで見えるかっていう使い方もしてますから。完成形もありますけど、でもまだ発展途上の動画のシリーズもある。それを単行本と見るか週刊誌と見るか。単行本は完成形ですけど、週刊誌は読み捨てみたいな感じじゃないですかね。

ーそう考えるとこのDVDは単行本なんですね。今回のDVDもそうですが、音楽とかイラスト全部がザコシさんの世界観を明確に作っていてすごく素敵ですよね。

ザコシ:そこは僕が昔から拘りがあって。バラエティでも音楽でも見てきて、いいなって思った物を吸収したいんですよ。バラエティだったら『オレたちひょうきん族』とか『8時だョ!全員集合』、ダウンタウン松本さんの『一人ごっつ』とかね。音楽は電気グルーヴとかテクノが好きですけど、VJとDJがいて、それぞれの拘った表現があるじゃないですか。ゲームもそう。だから僕も一つ一つ拘っていかないといけないな。ノー編集で3分の動画でBGMとかもない、ただ撮っただけのやつってすごい雑だな、もっと編集したらいいのになっていうのもあって。だからそこを拘ってやってますね。そういう細部のこだわりも徹底した集まりが今回のDVD『ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3』ですね。自信作です。

<リリース情報>

ハリウッドザコシショウ
『ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3』

発売日:2020年6月24日(水)
価格:3800円(税抜)
販売元:ソニー・ミュージックソリューションズ
収録時間:本編139分+特典映像187分
詳細:http://contentsleague.jp/dvd/2697/

本記事は「Rolling Stone Japan」から提供を受けております。著作権は提供各社に帰属します。

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July 28, 2020 at 10:00AM
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