ハリウッドなどグローバル・ビジネスに携わる醍醐味は、異なる国や文化との協業にあります。そこで求められるのは、相手を説得するためのプレゼンテーション術、さらにタフな交渉術です。17年間インサイダーとしてハリウッドビジネスに関わった私の経験から、その重要性についてひもときます。
映画の世界では、大手スタジオが共同で毎年5月ごろに開催する新作ドラマの試写会「LAスクリーニング」や、例年10月にフランス・カンヌで開かれる世界最大級の国際コンテンツ見本市「MIPCOM」などといった大型イベントが定期的にあり、世界中の様々な人々と出会う楽しみがあります。各社は、マーケティングあるいはセールス組織による国際会議もよく開いていますし、昔は世界中から選抜された人だけが参加できるトレーニングも行われていました。
ハリウッド業界の国際会議では、“お国柄”の違いが浮き彫りになるので、それが毎回個人的には楽しみでした。前の晩に飲み過ぎて朝ゆっくり出てくるのはラテンアメリカ系や英国人、時間通りに会議に来てきちんとした格好をしているのはアジア系、朝食を無脂肪ヨーグルトやフルーツで済ますのは50歳以上の米国本社のエグゼクティブ——といった具合です。
なぜ「ネゴシエーション」が重要なのか
プレゼンテーションの発表の仕方や内容も、国・地域ごとにカラーが出て大変興味深いと思います。ただ言うまでもなく、プレゼンテーションの基本手法は一つ。それは、聴衆を理解すること、そしてその聴衆に伝えたいことの明確化です。
ハリウッドビジネスに携わってきた私がプレゼンテーションに臨む際には、その日の聴衆がビジュアルを好むクリエイティブ出身の本社ゼネラルマネジャーなのか、それとも数字の好きな財務なのか、はたまたコンサルティング系の人かをまず判断するようにしました。次に、集中して聞けるであろう時間の長さはどのくらいか、伝えたいテーマは明るい話題か、何かお願いしなければならない項目はあるのか、また日本の市場環境をどのくらい知っているかなど、相手や場面によってプレゼン資料の演出や構成を変えるようにしました。冒頭のつかみのネタ、発声法、目線の配り方、シャツの色まで考えて毎回変えていたほどです。
ぎゅうぎゅうにメッセージを事前に詰めておき、数十秒で要旨を伝えるいわゆる「エレベーター・ピッチ」の観点で考えることは、プレゼンテーションに限らず、社内外でトップ・レベルのエグゼクティブやプロデューサーに会うときにはとても役立ちました。
ハリウッドの世界に足を踏み入れてから実感したのが、プレゼンテーションと同様に重要なスキルとしてネゴシエーションが重視されていることです。国際的なトレーニングに参加する機会がよくあったのですが、なかでも印象に残っているのが「ネゴシエーション・ワークショップ」です。フランス・パリの郊外にある古城を改装したホテルに4日間滞在し、ハーバード・ビジネス・スクールのネゴシエーション専門コンサルタントに徹底的にしごかれました。理論の学習ばかりでなく、ロールプレイによる実践を繰り返し行います。参加者は必ずしも営業だけではなく、ファイナンス、リーガル、マーケティング、ゼネラルマネジャーなど様々な職掌の管理職レベルの人が招待されていました。
参加者はランダムに2人ずつのバディーに分かれ、4日間を通してバディー単位でロールプレイや双方へのフィードバック、コンサルティングなどで協力し合います。実はこのバディー分けはチームビルディングも兼ねていて、私の相手は後に全世界の営業のトップとなり、私の上司になりました。
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