11日、ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告(67)に、女優志望の女性に対するレイプ罪、およびテレビ製作アシスタントの女性に対する性的虐待の罪で、禁固23年の判決が下った。

ニューヨーク・ポスト紙によると、法廷の最前列には、#Me Too運動の引き金となったワインスタイン被告のレイプ裁判で証言台に立った、女優アナベラ・シロラ、ローレン・ヤングら6人の告発者たちが座っていたという。

判決が言い渡される前、ワインスタイン被告は法廷に集まった告発者たちに向かい、「あなたたち全員に対し、大きな後悔の念がある。全ての女性たちに対してもだ」と述べた。

同時に、「世の男性たちは混乱していると思う。適正な手続きを失っている大勢の男女が、混乱している。私はこの国を憂慮する。アメリカのあるべき姿ではない」と抗議。また、「過去の多くのことをやり直せるとしたら、映画のことよりも、家族を大事にするだろう」と話し、元妻たちに対し、誠実ではなかったと認めた上で、「この状況に、心の底から後悔の念を感じている」と心情を吐露したという。

同紙によると、ワインスタイン被告の弁護チームは裁判官に対し、被告に犯罪歴がないこと、背中のケガや糖尿病を患い、刑務所内で5年以上はもたないであろうことなどを理由に懲役5年にするよう嘆願したが、聞き入れられなかったようだ。判決が下った後、被告が法廷を出て行くと、告発者たちが腕を組み、拍手をしながら「正義!」と合唱していたという。 

被告は先月も、女優志望の女性およびヘアスタイリストの女性に対する第2級性犯罪およびレイプ罪により、最高で禁固29年の判決を言い渡された。後に、ニューヨーク上州部の凶悪犯罪者用の刑務所に移送される見込みだが、まだ保留となっているロサンゼルスでの刑事裁判も待ち受けている。(ニューヨーク=鹿目直子)