多くの女性たちへの性的暴行罪などで起訴されたハリウッドの元大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告(67)が民事訴訟の和解金として、被害女性たちに総額2500万ドル(約27億5000万円)を支払うという暫定的な取り決めに合意したという。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、提案されている取り決めの条件として、ワインスタイン被告は罪を一切認める必要はなく、自分で被害者にお金を払う必要もないが、被告の元映画製作スタジオであるワインスタイン・カンパニーの保険会社が代わりに和解金を支払うという。

これにより、同被告および元製作会社に対するすべての民事訴訟に終止符が打たれることになる。30人以上の女優や元従業員らが、ハリウッドの重鎮だった被告により性的虐待やレイプの被害を受けたとして訴訟を起こしているが、和解金はこれらの被害当事者らの間で分けられるという。

タイムズ紙によると、連邦裁判所などがこの提案を認めれば、被害者らのうち18人が1人50万ドル(約5500万円)以下という条件のもと、620万ドル(約6億8200万円)を分け合い、残りは集団訴訟に加わった被害者や、今後、訴訟を予定している被害者らのためにキープされるという。

すでにグウィネス・パルトロー、アンジェリーナ・ジョリー、アシュレー・ジャッドらを始めとする大物女優たちが次々と、ワインスタイン被告による過去のセクハラ被害を告発。告発者の数は80人を超えるといわれている。

2018年、第1級および第3級レイプ罪、第1級犯罪的性行為の罪で起訴され、無罪を主張。来年1月、2人の女性たちへの性的虐待容疑に関する裁判を控えている。(ニューヨーク=鹿目直子)